Traveling
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 備考 |
1 | ベイビートラベラー | 伊藤立 | 伊藤立 | 伊藤立 | |
2 | Speechless love | さかいゆう | さかいゆう | 鈴木正人 | |
3 | Collection | 絢香 | 絢香 | 河野圭 | 11th配信シングル |
4 | Deep Blue | 高橋啓太 | 高橋啓太 | 鈴木正人 | |
5 | 櫻 | 水野良樹 | 水野良樹 | 河野伸 | 12th配信シングル |
6 | Sound of Music | 高橋啓太 | 高橋啓太 | 兼松衆 | |
7 | Hero | 春日章宏 | 春日章宏 | 真部侑一 | |
8 | Fighter | 空谷泉身 | Takaa-ki | akkin | |
9 | I am you | 伊藤立 | 伊藤立 | 伊藤立 | |
10 | 伸ばしかけ | フジタカコ | フジタカコ | 兼松衆 | |
11 | 名前 | アンジェラ・アキ | アンジェラ・アキ | 河内肇 | 13th配信シングル |
12 | 風の冒険者 | 矢野まき | 矢野まき/Shusui/ Ryo'LEFTY'Miyata/ 松岡モトキ |
松岡モトキ/ Ryo'LEFTY'Miyata |
リリースデータ
2025年6月11日 | 初登場14位 | 売上0.4万枚 | ビクター |
大原櫻子7thアルバム。オリジナルフルアルバムは2年半ぶり。ミニアルバムからは1年9ヵ月ぶり、ベスト盤からは10ヶ月ぶり。ベスト以降の配信3曲を収録。4月4日に今作の発売を告知。この時点では「Collection」「櫻」と日本テレビ系『ぶらり途中下車の旅』テーマ曲に決定していた「風の冒険者」の収録が告知されていた。16日に「名前」の配信が告知され23日に配信を開始したが今作からの先行配信としては扱わず、アンジェラ・アキ書き下ろしの新曲として扱っていた。これはミュージカル『この世界の片隅に』主演を務めた際の音楽担当がアンジェラ・アキだった縁からの新曲提供だったためと思われる。
初回限定盤Aはフォトブック付属。6600円。
初回限定盤Bは配信3曲のMVとオフショット映像を収録したBlu-ray付。5500円。
通常盤はCDのみ。3600円。
AB両方映像付だった事もあるが映像とブックレット/フォトブックの2種発売だった場合、以前はAを映像、Bをフォトブックとしていたがベスト盤から逆になったようで今作でもAがフォトブック、Bが映像(Blu-ray)となっている。全体に値上げ傾向となっており、通常盤は3300円→3600円となった。
『FANFARE』から本格的に人件費削減の1人オケ制作連発になってしまい、10周年ベストを区切りにますます規模縮小していきそうな未来しか正直見えなかったが…ベスト後も早々に配信シングルを重ねてまさかのベストから10ヶ月でフルアルバムにたどり着けるとは予想外。しかも小名川高弘も完全に離れ、制作陣を一新。水野良樹には過去何度か提供されていたが、それ以外は全員が初登場。配信シングルでは水野良樹(いきものがかり)、絢香、アンジェラ・アキといった大原櫻子がデビューした頃に人気を獲得していて知名度の高い面々が並び、「Speechless love」をさかいゆうが提供しているもののそれ以外はほとんど見知らぬ名前ばかりが並ぶ。本人作詞も無く、こんなにあちこち発注して予算は大丈夫なのかと思いきや、小名川高弘に任せるよりも予算が回るのか何なのか、1人オケ制作は「Hero」だけで、基本的に全部バンドメンバー揃えてのバンドサウンド(「風の冒険者」はベース打ち込み)。「Collection」「櫻」はバンドではないが、ストリングスはしっかり生で参加しており、この2曲以外にもストリングスは「Speechless love」「伸ばしかけ」「名前」にも参加している。一体どうしたんだこの贅沢っぷり。
亀田誠治プロデュースによる外しようがない超贅沢制作環境からその弟子のような小名川高弘にシフトしてからはどうしても縮小再生産的な流れにはなってきて、一時異なる制作陣でダンス路線に挑んだこともあったが、小名川高弘が再度戻って元の方向性になってからはいよいよ1人オケ制作化は避けられなくなっていき…と、環境はどんどんシュリンクしていたので軸になっていた小名川高弘からも離れたらどうなってしまうんだ…と思いきや…。配信3曲とさかいゆう以外はあまり見た事のない提供者ばかりだが普通に曲がいいし、あちこちで見かけるような有名なベテランスタジオミュージシャンはそんなに多くないけど音はしっかりしている。前作のようにバンドサウンドを1人オケ制作(ドラムは絶対打ち込み、ベースはアレンジャーがギターと兼任か打ち込みのどちらか)でやるのと曲ごとにバンドメンバー揃えてやるのではやはり勢いが変わってくるように思う。今更予算が増えたとは思えないし、亀田誠治時代に参加していたようなどこでも見かけるような超がつくほど名の知れた腕の確かな大ベテランスタジオミュージシャンを大挙して呼ぶのはとっくに無理なのは当然として、小名川高弘クラスでもなんだかんだ20年以上のキャリアがあるわけで、小名川高弘周りの中堅クラスを呼ぶのも最早予算オーバー、でももっと若手を揃えればこんだけ呼んでも予算内という事なのだろうか。
配信シングルが一定の年数を重ねた後の女性シンガー定番路線ともいえる落ち着いたバラード連投だったのでついにそのコースか…と思いきや、けっこう攻めた曲が多くてアルバム全体には勢いがある。3〜5と10,11で似たようなバラードが続く部分はあるけどトータルでは初期からの正統派進化のポップス路線。大人になった落ち着きを見せつつも典型的バラードシンガーにはまだまだならない勢いをしっかり聞かせてくれたバランスのいい良作だった。言うても若くしてのデビューだから10周年越えてもまだ29歳、20代最後なんだよな。
初回盤A(フォトブック付)
初回盤B(Blu-ray付)
通常盤
印象度★★★★☆
2025.8.3更新