Traveler

リリースデータ

メンバー

Official髭男dismメジャー1stアルバム。実質2ndアルバムだが、公式区分ではインディーズの前作は"1st Full Album"、今作は"Major 1st Album"と区別しており、カウントがリセットされている。前作以降の2シングル、EP収録曲のうち別バージョンを除く全曲を収録。「イエスタデイ」は1ヵ月前から先行配信されていた。「Official髭男dism one-man tour 18/19 from 2019.01.24 NHKホール」をノーカット完全版で収録したライブBlu-ray、DVD付、CDのみ通常盤も含めて3種全てデジパック仕様。Blu-ray付、DVD付は前作と異なり特に初回盤とは銘打たれておらず実際大ヒットしたものの売り切れになることは無かった。シングル売上はそこまで上昇しておらず「Pretender」がトップ10ヒットになった程度だったが、この曲は配信では50万ヒット、特にストリーミングでは1億再生を突破する猛烈な勢いで2019年の年間1位となった。今作もスピッツ『見っけ』を抑えて初の1位を獲得し、CDでも20万枚を越える売上を記録し、最終的に50万枚に迫る自身最大ヒット作となった。

『Stand By You EP』の曲なんかは前作の延長で様々な音楽性をポップスとして聞かせる面白さはあるものの前作同様にそこまで1発で耳に残るよう勢いは無いように思うが「Pretender」はイントロや平メロから名曲オーラ全開でここから一気に突き抜けたように思う。「宿命」そしてリード曲の「イエスタデイ」とこの3曲のひたすら最強必殺みたいなキャッチーさはなかなか凄い。

確か「Pretender」はどこか店でかかっているのを聞いてなんだか随分いい曲だなと思ったのが最初だったと思うんだけどOfficial髭男dismだと把握していなかったので、まあこの手の良メロ系の若手って時々出てくるけど結局売れないんだよな…と数年前のイトヲカシを思い出しながら感じたのを記憶している。その後しばらくして同様に妙に突き抜けてくる曲を2曲ほど耳にしてこれまた同じバンドだとすら認識していなかったんだけどこれが「宿命」と「イエスタデイ」であったようで、結果前作と今作をまとめて手に取るまで一切事前に聞いていなかった上に(1億再生だそうだが正直1再生とも貢献してない)、前作で書いたようにドラマで聞いていた「ノーダウト」は聞いてようやくそういやこんなのがかかってた程度しか印象に残せていなかったのに、今作は誰の曲か把握していないがどこかで耳にして馴染んでいた曲が3曲も入っていた。こういう感覚はヒット曲を聞き始めた中学生の頃にはよくあったが、年齢を重ねるにつれてほとんど忘れていた感覚だった。

改めてちゃんとC聞いたところ、この3曲は特に売れ線メロディーを意識してメロディーを生かすのを第一に徹しているというか、蔦谷好位置が入っている「宿命」と「イエスタデイ」はメロ最優先でバンドサウンドはかなり控えめ。流麗なストリングスがメロディーを生かす「イエスタデイ」、同様にブラスサウンドがメロディを生かす「宿命」は特にドラム辺りがかなり存在感消しているので軽めでギターも遠いし、ピアノやベースもそんなに主張していない。「Pretender」は2曲に比べるともう少しバンドっぽいサウンドにはなっているが、いずれにせよ他の曲たちに比べても凝ったサウンドを凝った感じで聞かせるよりも、とにかく気持ちがよいメロディーを気持ちよく聞かせることを最優先しているような感じ。だからこそこの3曲はどこでかかっているのを聞いても強いんじゃないかと思った。

それ以外は前作の延長に近く、様々な音楽性をポップスに昇華していくスタイルではあるが、全体に凝っているのがそのまま凝っているなという印象になるのではなく、単純にポップな印象が強くなっていてそれでいて飽きさせないように凝っている。特段良さを見出そうと思わずに何も考えずに聞いてもいいなと思えるし、凝ったところを楽しもうと思って聞けばたぶんそれでも楽しめるような1作。

Blu-ray付　　DVD付　　CDのみ　

印象度★★★★☆

2019.12.31更新

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