コンプリート・シングル・コレクション
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 備考 |
1 | 群衆の中で | 山上路夫 | Betty Dean | 馬飼野俊一 | 1stシングル 100位圏外 |
2 | 陽はまた昇る | 山上路夫 | 上条友章 補作曲:村井邦彦 |
馬飼野俊一 | 1stシングルB面 |
3 | 夜明けを告げずに | 山川啓介 | 加藤和彦 | 青木望 | 2ndシングル 100位圏外 |
4 | 美しい世界 | 小田和正 | 小田和正 | 青木望 | 2ndシングルB面 |
5 | おさらば | 東海林修 | 東海林修 | 東海林修 | 3rdシングル 100位圏外 |
6 | 悲しきあこがれ | 山上路夫 | 東海林修 | 東海林修 | 3rdシングルB面 |
7 | 僕の贈りもの | 小田和正 | 小田和正 | オフ・コース | 4thシングル 100位圏外 |
8 | めぐり逢う今 | 松山猛 | オフ・コース | オフ・コース | 4thシングルB面 |
9 | もう歌は作れない | 小田和正 | 小田和正 | 小田和正 | 5thシングル 100位圏外 |
10 | はたちの頃 | 鈴木康博 | 鈴木康博・重実博 | 鈴木康博 | 5thシングルB面 |
11 | 忘れ雪 | 松本隆 | 筒美京平 | 矢野誠 | 6thシングル 100位圏外 |
12 | 水いらずの午後 | 松本隆 | 筒美京平 | 矢野誠 | 6thシングルB面 |
13 | 眠れぬ夜 | 小田和正 | 小田和正 | オフ・コース | 7thシングル(アルバム同発) 最高48位 売上4.6万枚 |
14 | 昨日への手紙 | 鈴木康博 | 鈴木康博 | オフ・コース | 7thシングルB面(アルバム同発) |
15 | ひとりで生きてゆければ | 小田和正 | 小田和正 | オフ・コース | 8thシングル 100位圏外 |
16 | あいつの残したものは | 鈴木康博 | 鈴木康博 | オフ・コース | 8thシングルB面 |
17 | めぐる季節 | 小田和正 | 小田和正 | オフ・コース | 9thシングル 100位圏外 |
18 | ランナウェイ | 鈴木康博 | 鈴木康博 | オフ・コース | 9thシングルB面 |
1〜4 ジ・オフ・コース名義
5〜18 オフ・コース名義
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 備考 |
1 | こころは気紛れ | 小田和正 | 小田和正 | オフ・コース | 10thシングル(カット) 100位圏外 |
2 | あなたがいれば | 小田和正 | 鈴木康博 | オフ・コース | 10thシングルB面 |
3 | 秋の気配 | 小田和正 | 小田和正 | オフコース | 11thシングル 100位圏外 |
4 | 恋人よ そのままで | 鈴木康博 | 鈴木康博 | オフコース | 11thシングルB面 |
5 | ロンド | 鈴木康博 | 鈴木康博 | オフコース | 12thシングル 最高89位 売上1.5万枚 |
6 | 思い出を盗んで | 小田和正 | 小田和正 | オフコース | 12thシングルB面(カット) |
7 | やさしさにさようなら | 小田和正 | 小田和正 | 小田和正・オフコース | 13thシングル 100位圏外 |
8 | 通りすぎた夜 | 鈴木康博 | 鈴木康博 | オフコース | 13thシングルB面 |
9 | あなたのすべて | 小田和正 | 小田和正 | オフコース | 14thシングル 最高82位 売上0.7万枚 |
10 | 海を見つめて | 鈴木康博 | 鈴木康博 | オフコース | 14thシングルB面 |
11 | 愛を止めないで | 小田和正 | 小田和正 | オフコース | 15thシングル 最高31位 売上9.8万枚 2016年CD再発盤 最高61位 売上0.08万枚 |
12 | 美しい思い出に | 鈴木康博 | 鈴木康博 | オフコース | 15thシングルB面(カット)、2016年CD再発盤C/W |
13 | 風に吹かれて | 小田和正 | 小田和正 | オフコース | 16thシングル 最高41位 売上3.7万枚 |
14 | 恋を抱きしめよう | 鈴木康博 | 鈴木康博 | オフコース | 16thシングルB面 |
1,2 オフ・コース名義
3〜 オフコース名義
ストリングス&ウッドウインド編曲:鈴木康博(2)
ストリングス編曲:小田和正(3,13)、鈴木康博(5)
ホーンセクション編曲:鈴木康博(12)
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 備考 |
1 | さよなら | 小田和正 | 小田和正 | オフコース | 17thシングル 最高2位 売上71.7万枚 |
2 | 汐風のなかで | 鈴木康博 | 鈴木康博 | オフコース | 17thシングルB面(カット) |
3 | 生まれ来る子供たちのために | 小田和正 | 小田和正 | オフコース | 18thシングル(カット) 最高48位 売上3.7万枚 |
4 | この海に誓って | 小田和正 | 松尾一彦 | オフコース | 18thシングルB面 |
5 | Yes-No | 小田和正 | 小田和正 | オフコース | 19thシングル 最高8位 売上35.4万枚 |
6 | 愛の終わる時 | 鈴木康博 | 鈴木康博 | オフコース | 19thシングルB面 |
7 | 時に愛は | 小田和正 | 小田和正 | オフコース | 20thシングル(カット) 最高35位 売上7.0万枚 |
8 | 僕等の時代 | 小田和正 | 小田和正 | オフコース | 20thシングルB面(カット) |
9 | I LOVE YOU | 小田和正 | 小田和正 | オフコース | 21stシングル 最高6位 売上18.3万枚 |
10 | 夜はふたりで | 安部光俊・鈴木康博 | 鈴木康博 | オフコース | 21stシングルB面 |
11 | 愛の中へ | 小田和正 | 小田和正 | オフコース | 22ndシングル(アルバム同発) 最高23位 売上7.0万枚 |
12 | Christmas Day | 小田和正・鈴木康博 | 小田和正・鈴木康博 | オフコース | 22ndシングルB面 |
13 | 言葉にできない | 小田和正 | 小田和正 | オフコース | 23rdシングル(カット) 最高37位 売上3.6万枚 |
14 | 君におくる歌 | 鈴木康博・大間仁世 | 鈴木康博 | オフコース | 23rdシングルB面(カット) |
15 | YES-YES-YES | 小田和正 | 小田和正 | オフコース | 24thシングル 最高6位 売上19.4万枚 シングルVer.のフェードアウトが長いVer. |
16 | メインストリートをつっ走れ | 鈴木康博・大間仁世・ 安部光俊 |
鈴木康博 | オフコース | 24thシングルB面(カット) |
17 | Jane Jane | P.Yarrow,P.Stookey, M.Travers&M.Okun |
P.Yarrow,P.Stookey, M.Travers&M.Okun |
コンピ盤『第3回全日本ライトミュージック・コンテスト
グランプリ1969』収録曲 Peter,Paul and Maryのカバー |
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18 | One Boy | Ch.Strouse,L.Adams | Ch.Strouse,L.Adams | コンピ盤『第3回全日本ライトミュージック・コンテスト
グランプリ1969』収録曲 ミュージカル『Bye Bye Birdie』挿入歌のカバー |
ストリングス編曲:小田和正(13)
17,18 ジ・オフ・コース名義
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 備考 |
1 | 君が、嘘を、ついた | 小田和正 | 小田和正 | オフコース | 25thシングル 最高2位 売上31.6万枚 11thアルバム『The Best Year of My Life』収録Ver. |
2 | 愛よりも | 大間仁世・松尾一彦 | 松尾一彦 | オフコース | 25thシングルB面 11thアルバム『The Best Year of My Life』収録Ver. |
3 | 夏の日 | 小田和正 | 小田和正 | オフコース | 26thシングル(カット) 最高15位 売上6.9万枚 |
4 | 君の倖せを祈れない | 小田和正 | 松尾一彦 | オフコース | 26thシングルB面 |
5 | 緑の日々 | 小田和正 | 小田和正 | オフコース | 27thシングル(カット) 最高14位 売上8.3万枚 |
6 | CITY NIGHTS | JIMMY COMPTON, PHILIP H.RHODES, KAZUMASA ODA |
KAZUMASA ODA | オフコース | 27thシングルB面 9thアルバム『over』収録曲「哀しいくらい」英語詞リメイク |
7 | call | 小田和正 | 小田和正 | オフコース | 28thシングル 最高7位 売上12.7万枚 『オフコース・グレイテストヒッツ 1969-1989』収録Ver.(フェードアウト長い) |
8 | 2度目の夏 | 秋元康 | 松尾一彦 | オフコース | 28thシングルB面 |
9 | たそがれ | 小田和正・ RANDY GOODRUM |
小田和正 | オフコース | 29thシングル 最高7位 売上12.0万枚 |
10 | LAST NIGHT | 秋元康 | 松尾一彦 | オフコース | 29thシングルB面 |
11 | 夏から夏まで | 小田和正 | 小田和正 | オフコース | 30thシングル 最高9位 売上6.5万枚 |
12 | ぜんまいじかけの嘘 | 秋元康 | 松尾一彦 | オフコース | 30thシングルB面 |
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 備考 |
1 | ENDLESS NIGHTS | Randy Goodrum | Kazumasa Oda | Petr Wolf & OFF COURSE | 31stシングル(カット) 最高26位 売上5.3万枚 |
2 | EYES IN THE BACK OF MY HEART | Randy Goodrum | Kazumasa Oda | Petr Wolf & OFF COURSE | 31stシングルB面(カット) |
3 | IT'S ALL RIGHT(ANYTHING FOR YOU) | 小田和正 | 小田和正 | オフコース | 32ndシングル 最高20位 売上2.7万枚 |
4 | IT'S QUITE ALL RIGHT(Instrumental) | 小田和正 | オフコース | 32ndシングルB面 「IT'S ALL RIGHT」のインスト | |
5 | もっと近くに(as close as possible) | 小田和正, RANDY GOODRUM |
小田和正 | オフコース | 33rdシングル(カット) 最高29位 売上1.7万枚 |
6 | Tiny Pretty Girl | 松本一起 | 清水仁・松尾一彦 | オフコース | 33rdシングルB面(カット) |
7 | 君住む街へ | 小田和正 | 小田和正 | オフコース | 34thシングル 最高11位 売上3.8万枚 |
8 | 君住む街へ(INSTRUMENTAL VERSION) | 小田和正 | オフコース | 34thシングルB面 インスト | |
9 | 君住む街へ(Another Version) | 小田和正 | 小田和正 | オフコース | 34thシングルCD盤のみC/W |
10 | she's so wonderful | 小田和正 | 小田和正 | オフコース | 35thシングル(カット) 最高80位 売上0.3万枚 |
11 | 陽射しの中で | 松本一起 | 松尾一彦 | オフコース | 35thシングルC/W(カット) |
12 | 夏の別れ | 小田和正 | 小田和正 | オフコース | 36thシングル(カット) 最高82位 売上0.4万枚 |
13 | 逢いたい | 吉田拓郎 | 清水仁 | オフコース | 36thシングルC/W(カット) |
英語監修:PHILIP H. RHODES(3)
リリースデータ
2025年4月5日(CD) 2025年4月5日(DISC-4,5配信) 2025年4月16日(DISC-1,2,3配信) |
初登場19位 | 売上0.4万枚 | ユニバーサル ソニー ユニバーサル |
メンバー(カッコ内独自追記)
Keyboards | 小田和正 |
Guitars | 鈴木康博(結成〜『YES-YES-YES』まで在籍) |
Electric Bass | 清水仁(『こころは気紛れ』から参加、『さよなら』以降正式メンバー) |
Drums&Percussion | 大間ジロー(『ひとりで生きてゆければ』から参加、『さよなら』以降正式メンバー) |
Guitar&Harmonica | 松尾一彦(『めぐる季節を』から参加、『さよなら』以降正式メンバー) |
以下旧メンバーは表記無し | |
地主道夫(結成〜『群衆の中で』まで在籍) | |
小林和行(『夜明けを告げずに』、『おさらば』) | |
吉田浩二(『おさらば』のみ) |
オフコース、シングルコレクションアルバム。パッケージ表記上は英字の『COMPLETE SINGLE COLLECTION』だが、公式表記はカタカナとなっている。デビュー55周年企画初のコンプリート・コレクション!と銘打たれ、1970年4月5日の『群衆の中で』リリースからピタリ55周年記念日に発売日が設定された。このため土曜日発売となった。2020年に発売された36枚組BOX『コンプリート・シングル・コレクションCD BOX』を5枚組にまとめて3曲追加した実質的な廉価リニューアル盤となっていて、ジャケ写も共通デザインの色違い、音源もBOX時の2020年リマスターが使用され(Re-mastered by 石橋香)、ブックレットの1シングルごとの小貫信昭による解説も流用となる(ブックレットに表記はないが商品案内に「再録」とある)。また特に注記もされていないが、一部の楽曲はアルバムバージョンや後年編集されたフェードアウトの長さが異なるバージョンが採用されている。元となっているBOX盤では25thシングル「君が、嘘を、ついた」「愛よりも」はシングルのマスターの劣化が激しい事を理由にアルバム音源に差し替えたとされ、「YES-YES-YES」は後年のベスト盤で多用されていたシングルミックスながらシングルよりフェードアウトが長いバージョン、「call」も『オフコース・グレイテストヒッツ 1969-1989』に収録されたシングルミックスながらフェードアウトが長いバージョンが採用されていた事が指摘されていた。今作が2020年リマスター音源である以上は全てBOXと同じ音源となる。ユニバーサルからの発売のため当初普通に高音質CDの採用はSHM-CDと告知されたが、DISC-4,5の音源を管轄するソニーのBlu-spec CD 2に変更された。
配信版はソニー管轄となるDISC-4、DISC-5が『Off Course〜COMPLETE SINGLE
COLLECTION DISC4』、『Off Course〜COMPLETE SINGLE
COLLECTION DISC5』の2タイトルでソニーからCDと同日にDL/ST配信された。遅れて4月16日にDISC-1,2,3,4がまとめて『コンプリート・シングル・コレクション(EMI
EDITION)』としてユニバーサルからDL/ST配信された。タイトル表記が異なる上、ソニーの方は2作別々だがDISC-4,5のジャケ写にはきちんとSONY
MUSIC EDITIONと記載されていてEMI EDITIONと対になっている。ジャケット表記はちゃんと合わせているのに何故『COMPLETE
SINGLE COLLECTION SONY MUISC EDITION』、『COMPLETE SINGLE
COLLECTION EMI EDITION』と2タイトルにして表記を揃える事が出来ないのだろう…。DLの場合分割した方が割高設定になるのでソニーの方ががめついとしか…。圧縮価格でソニーは2枚分が2139円×2で4278円、EMIは3枚分が1作で3565円。CD相当のロスレスで購入するとEMI5706円+ソニー3000円×2の11706円となってしまい、CD8800円(歌詞・解説付)を大きく上回ってしまう。
35thシングルのレコードには未収録で8センチCD盤のみに収録されていたC/W「君住む街へ(Another Version)」、1969年11月2日東京新宿厚生年金会館大ホールで開催された「第3回全日本ライトミュージック・コンテスト グランプリ1969」のフォーク部門より実況録音されたアルバム『第3回全日本ライトミュージック・コンテスト グランプリ1969』収録の音源「Jane Jane」「One Boy」の2曲をDISC-3のボーナストラックとして収録。これら3曲はBOXには未収録で新たに追加された音源となる。この3曲は2020年リマスター(石橋香)ではなく、吉野謙志による新規リマスター音源である旨がクレジットされている。
現役時代のオフコースは鈴木脱退後4人になって移籍しており、エキスプレス/東芝EMI(現ユニバーサル)→ファンハウス(現ソニー)と2社にまたがっていた。2社の協力体制でのベスト盤はなかなか実現せず、基本的にEMI側が非公認で乱発。シングルコレクションに類する作品としては1989年の3枚組『OFF COURSE Singles 21 1973→1982』、1990年に3分割した『シングルスVol.1』『シングルスVol.2』『シングルスVol.3』、1998年に改題再発した3枚組『Singles』が存在し、これは4th「僕の贈りもの」〜24th「YES-YES-YES」までのA面B面を網羅していた。また1998年ファンハウスからリリースされた『オフコース・グレイテストヒッツ 1969-1989』は唯一1st〜36thまでのA面のみを網羅していた。今作は文字通りシングルコレクションのコンプリート盤といえる。
メンバー表記は解散後のベスト盤同様に5人時代の表記となっていて最初期メンバーは特に表記はされていない。小貫信昭による解説においては1stシングルではジ・オフ・コースとして3人でデビューしたとして地主道夫の名前も出している(ライブ時の担当はギターとも書いているがレコーディングは3人ともボーカルのみと明記)。しかし2ndでは早くも地主の脱退もジャケ写の3人目の人物が小林和行である事にも一切触れていない。3rdではジャケ写が4人である事に触れているが何故か"本作に限り取られた体制であり、ことさらクローズアップされることではない"とだけ書いてやはり小林和行、吉田浩二には一切触れていない。ジャケ写4人にわざわざ触れるくらいなら知らない人のためにもきちんとそれが誰なのかくらい解説すべきだと思うんだけど…煙に巻くような書き方をするなんて何でそんな中途半端な事したのだろうか。清水・大間・松尾の3人が参加するようになった曲も上記の通りだが、「ひとりで生きてゆければ」の解説では大間の参加に一切触れず、「めぐる季節」の解説で大間と松尾が参加している事に唐突に言及して、松尾がハーモニカを担当している事も触れているが、「秋の気配」で徐々に二人体制から五人体制になるという記述が出てくるくらいで清水の名前は出てこないなどメンバー変遷の解説がかなりおざなりな印象。基本的に音楽ライターらしい曲そのものの解説はしているんだけど(こういう曲調でこんな思いが込められている的な内容)、背景や制作そのものの話は正直現在はWikipediaの方が全シングル情報がしっかりまとまっているように思う。
8800円は普通に高いが、BOXを思えば確かに廉価版である。しれっと別商品としてリリースするなら分かるが、音源やブックレットを流用してジャケットも色違いの廉価盤として39600円→3曲レア音源追加で8800円となればBOX購入者は普通に激怒していいとは思う(まあBOXの中古相場全く落ちてないのでBOX売り払って今作買い直すだけでも元が取れそうな価格差ではある)。またパッケージの徹底したコンパクト志向が凄い。なんと普通の分厚い2枚組CDケース(厚み2.5pのやつ)の内部トレイを改造して5枚収納できるようにした特殊ケースになっているのでかさばらない。壊れたら替えが効かないという問題はあるが、コンパクトで気軽に取り出して聞けるのは大きな利点だ。
「YES-YES-YES」「call」はシングルよりフェードアウトが長くなっているという事でミックス自体は同じなのでむしろ聞けなかった部分が聞けるお得仕様といえるが、「君が、嘘を、ついた」「愛よりも」はミックスエンジニアを変更したアルバムバージョンなので曲の長さ以前にミックスが違うアルバムバージョンなのでその点は惜しい。マスターがダメでも当時のレコードや過去のベスト盤に収録した音源を使ってどうにかできなかったのだろうか。そしてDISC-3の最後(鈴木在籍時最後)に最初期の音源である2曲を追加したのは若干謎。DISC-1冒頭で時系列で良かったのではないか。他の4枚が60分前後でまとまっているのに対してDISC-3はそのままでも70分台後半になっていて長かったのにそこに無理やり2曲追加したせいで82分55秒と本来のCD容量限界を突破してしまっている。
その後のソロでの大活躍もあり、オフコース=小田和正のワンマンバンドというイメージは年々強くなっているが、当時もファン以外の間では割とそうだったんじゃないかとは思う。ベスト盤でもほとんど小田曲になるし、A面だけ並べると初期提供と「ロンド」以外は"作詞作曲:小田和正"が並んでしまう。今作のようにB面も網羅したシングルコレクションになるとそのB面のほとんどが鈴木曲、脱退後は松尾曲が登場。確かに並べて聞いた時に今も残る名曲だと感じるのは長年親しまれている小田曲にはなってしまう。とはいえ小田曲も常に大当たりの連続ヒットというわけでもなく、5枚36作のシングルの中で意外とヒット曲は少ない印象でもある。ソロでも歌い続けているような有名曲は馴染み度合いが違うので仕方ないとしても、そうではない曲だと小田曲と鈴木曲にそんなに差があるようには聞こえない。何より2人のコンビとしての相性、ソングライターとしてのバランスやハーモニーは確かに合っていて唯一無二だったように改めて感じられる。そこにバンドメンバーが正式加入してデュオからバンドへと進化したというのも他には見られない面白い部分でもあった。
DISC4,5の4人時代は一気にサウンドが80's打ち込みサウンド全開になる。「君が、嘘を、ついた」こそいきなり大ヒットしたが、全体に機械的なリズム音が味気なく、バンドとして一体感を持って飛躍していった5人時代と違って、終始迷いながら活動してすっかりバラバラになってしまった感じ。80年代の小田和正ソロと言われた方がしっくり来るようなサウンド感で、聞き慣れない松尾ボーカルのB面曲も普通にオフコースの松尾というより松尾ソロに聞こえてしまう。後半は外部から秋元康を作詞に招いたり、清水仁は吉田拓郎まで召喚してしまい、こういうのは小田和正はどう感じたのか…。そんな末期に「君住む街へ」という名曲が生まれていたのは興味深い。すっかりソロの代表曲の1つになってしまっているが、当時は松尾・清水にも歌唱パートがある3人ボーカル曲で、今作にはBOXになかった歌唱パートを変更したAnother Versionも聞く事ができる。これもコラボ曲のように聞こえてしまうところはあり、これは解散まったなしだよなぁとは思った。
特に鈴木のオフコースでの代表曲はB面だけではなくアルバム曲にもあるように思うので代表曲を集めたベストアルバムとは違う。最初に聞く決定盤ベストではないと思う。純粋なシングルコレクション、資料集としての価値の高い1作。この時代はA面/B面できっちりフォーマットが決まっていたので収録漏れになってしまう3曲目の別バージョンだとかカラオケはシングル盤でしか聞けないとかそういう事も無く、シングル盤に入っていた音源は全て網羅、パッケージもコンパクトにまとまっていて利便性に優れている。それだけに25thシングルのアルバムバージョン差し替えは惜しかった。
印象度★★★★☆
2025.5.24更新