evergreen

No タイトル 作詞 作曲 編曲 備考
1 Magic Time 小林武史 小林武史 小林武史  
2 Free 小林武史 小林武史 小林武史  
3 白いカイト(Album Version) 小林武史 小林武史 小林武史 2ndシングル 最高11位 売上51.7万枚
4 めぐり逢う世界 AKKO&小林武史 小林武史 小林武史 4thシングル『ALICE』C/W(カット)
5 Hello,Again〜昔からある場所〜 小林武史 藤井謙二&小林武史 小林武史 3rdシングル 最高1位 売上184.9万枚
6 My Painting 小林武史 小林武史 小林武史 1stシングル両A面曲
7 暮れゆく街で AKKO 小林武史 小林武史  
8 Delicacy(Album Version) 小林武史 小林武史 小林武史 3rdシングルC/W
9 Man&Woman 小林武史 小林武史 小林武史 1stシングル 最高7位 売上91.7万枚
10 evergreen 小林武史 小林武史 小林武史 5thシングル『NOW AND THEN』C/W(acoustic versionにリメイク)

リリースデータ

1995年12月5日
2008年5月1日(再発)
初登場1位 売上279.7万枚 Produced by 小林武史 TOY'S FACTORY
avex trax

メンバー

Vocal AKKO
Guitar 藤井謙二
Keyboard 小林武史

MY LITTLE LOVER1stアルバム。AKKOと藤井謙二の2人組として95年5月1日にデビュー。最初から小林武史はプロデューサーだったが、今作で正式にメンバーとして加入している。これによりシングルでは女性が作詞しているイメージをつけるためとして作詞名義が「KATE」(3人の頭文字+Ensembleの頭文字)だったものが小林武史の単独表記に変更され、小林武史&MY LITTLE LOVERにしていた編曲表記も小林武史に変更されるなど実態に即した表記に変更された。「白いカイト」のC/Wが無かったため、3シングル全ての収録曲が収録されている。「めぐり逢う世界」「evergreen」は次の2作のシングルで立て続けにリカット&リメイクされている。初動だけで102万枚を記録してミリオンを達成。1stアルバムの初動ミリオン達成は史上初だった(1stアルバム累計ミリオンはDEENが94年に初めて達成)。最終的に280万枚の空前の大ヒットとなったが、ミリオンセラーは今作のみであり、2番目のヒット作となる3rdアルバムとは200万枚の大差が生じている。

初回盤も通常盤も特殊ケース仕様だが、初回盤は加えてスリーブケース、CDよりわずかに小さいサイン入りの丸型ポストカードが付属する。エイベックス移籍後にはエイベックスから再発されており、この際には全作が通常プラケース仕様となっているため、アルバムによってはアートワークの一部が削減されたり、ベスト盤の楽曲解説がカットされたりしている。権利ごと移動しただけのようで、特にリマスターされたというわけではないと思われる。OORONG RECORDSを立ち上げる前にavex traxから再発されていたため、レミオロメンと違いOORONG RECORDSが数年で撤退となった後も早期廃盤にならずに流通していた。

女性ボーカルのポップス作品としては最高峰といえる圧倒的な完成度を誇る名盤。1stにして完成度が高すぎてしまったため、同じ路線をやるのではなく2nd以降は実験要素が増えていくことになる。セールス的に今作だけがダントツだったのはその辺りにも原因があり、今作の評価がイマイチだったから2nd以降が極端に落ちたというわけではなく、実験に走るようになって今作のような路線からとっとと離れてしまったのが響いた。楽曲をほぼ1人で手がけるプロデューサーがメンバーにいるグループの場合、ELTやDo As Infinity、Superflyのように制作に専念したいからメンバーから退くというケースはあるが、小林武史の場合はこの段階で自らメンバーとして加入している。それほどこのグループに入れ込んでいたのだろうし、実際楽曲の勢いもとてつもない。何と言ってもこの時期の小林武史はストリングスに全くこだわっていない。あくまで手段の1つでしか無く、クレジット上は「Magic Time」「My Painting」の2曲でしか使用されていない(むしろ管楽器を多用している)。生バンドにもさほどこだわっていないので半数はドラム打ち込みだが、様々な音がバランスよく鳴り響いていて、とびきりの極上ポップスとして聞かせる。あまり上手とは言えないAKKOのボーカルも見事なまでのハマり具合。間違いなく小林武史の最高傑作であり、ポップス史上に残る1作。この時期の小林武史が「天才」「(ポップスの)職人」と言われていたのがよく分かる1枚。00年代以降の単なる重厚ピアノストリングス使いとしての小林武史しか知らない人は是非聞いておくべき1作。特に「Hello,Again〜昔からある場所〜」は個人的にJ-POP史上最高の完成度を誇る1曲だと思う。

一部の作詞にAKKOが、「Hello,Again〜昔からある場所〜」の原曲を持ってきたのがメンバーになった藤井謙二という以外は基本的に小林武史が作詞作曲編曲全てを完成させていたようだが、メンバーではなくプロデューサーだったシングル3枚で作詞:KATE、編曲:小林武史&MY LITTLE LOVERと表記させていたのはプロデューサーが全部やっている(操り人形みたいなイメージになりかねない)イメージをつけたくなかったという気遣いなのだろうか。しかし正式メンバーになった途端にじゃあいいでしょとばかりにこの気遣い表記を速攻廃止してしまったくらいなんだから、メンバー外のプロデューサーのみの立場とメンバー兼プロデューサーの立場は小林武史の中で大きな違いがあったのだろう。藤井謙二の脱退以降は露骨にギターを遠ざけるようになったり、レコーディングのみに徹していたMr.Childrenでライブサポートメンバーになった途端に物凄くピアノで主張を始めたりと、立ち位置が変わった途端にけっこう分かりやすく変化を見せているし…。

B00005H01Y   B0015G9CCA08年エイベックス再発 

印象度★★★★★

戻る